恋人を探すくつした
わが日本では、良い女房は金のわらじを履いて探せ、などといわれる。アメリカのマサチューセッツ州でも、良い夫をみつけるには足が肝心といわれる。新しい靴とくつしたを履いて橋を渡り、運よく見知らぬ男に出会ったら、彼が未来の夫になるそうだ。
ヨーロッパでも、恋人探しは靴とくつしたの力に頼る。男性が女性と話しながら脚を組み、チラリとくつしたを見せたら、それは彼女を愛しているしるしだそうな。
また、鉄条網の下をくぐるときに、鉄の刺がくつしたに引っかかったら、すぐに恋人ができるといわれている。
それでもだめなら、思いきって靴とくつしたを脱ぎ、裸足になってしまおう。
少女が裸足で川の中を歩くと水面に未来の恋人の顔が映る、という言い伝えが、ルーマニアのトランシルヴァニア地方にあるほどだから。
「THE BOOK OF SOCKS AND STOCKINGS」(荒俣宏 著/日本靴下協会 発行)より引用